全日本ジムカーナ初優勝!
- アカウント4 TOOLBOX
- 5 日前
- 読了時間: 6分
こんにちは!TOOLBOXの室本です。

報告が遅くなりましたが、週末に行われた“JAF全日本ジムカーナ選手権第6戦天下分け目のジムカーナ決戦!”にて、当店で作成した高江選手のMINIが...
PE2クラスで優勝しました!
高江選手おめでとうございます!!
この車両は“レーシングサービス・コシミズ”さんから「チャレンジCP2プログラム」への参加の為に高江さんが借りられているている車両で、当店で主だった車両作成を行わせていただいてます。まぁそうは言ってもほぼノーマルで乗らなきゃいけない規定なので“チューニング” 要素は薄めですが💦
とはいえある程度古い車ですから、
性能維持に関わるメンテナンスなども欠かせません。
しかし第3戦のタマダ頃から謎のエンジン不調が続き、ソレが前戦砂川から戻ってきてから深刻化
「奥伊吹までになんとかしなくては!」と本格的に向き合う事に。そして当初は8月末予定だったLSDの到着が早まり7月に到着!「コレも何とかして間に合わせたい!」
ピンチとチャンスが同時にやってきました!
残り期間を考えるとかなりタイトなスケジュールとなってしまう為、
LSDセッティング:室本
ミッションへの組込み:神谷
車両への取付け&修理:秋葉
エンジン不調診断:三人とも
その他付随作業を含めれば・・・整備スタッフ一丸となって行いました!
まずはエンジン不調。症状としては
①発進時にアクセル全開にすると「バフっ!」と失速する
②アイドリングが不安定
という症状が今までの作業で、
・スパークプラグ
・イグニッションコイル
・ディバーターバルブ
・ブーストコントロールソレノイド
など定番で疑いのあるパーツの交換や簡単な点検は済ませていましたが・・・
結果的に改善はしてません
これ以上は本格的に点検をしていくしか無いです。
その点検の中でスキャンツールのに出てくる値や症状から、
”バルブタイミングのズレ”を確認するためにシリンダヘッドカバーを開けてみると・・・

バルブタイミングがズレている事が発覚!
この車のカムシャフトやクランクシャフトのスプロケット(タイミングチェーンと繋がる場所)は...まさかの位置決めの”キー”が入ってません。
コレは付け忘れとかでは無く、そういった構造なんです

ココのズレは街乗りだけの車両でも稀に起こっていますから、競技使用なら尚のこと注意が必要かもしれませんね。調整後はアイドリング不調などはしっかり改善!
街乗りレベルでは問題無かったのですが、試運転を兼ねた練習会に持ち込んでみたら...
全開走行時の「バフっ」は収まってません
練習会後にLSD組込みと並行してエンジン不調と向き合っていましたが...

現車のアクチュエーターに掛かる点検をしてみると、
むろじー車両(一応正常値)
ブーストが掛かっている間は負圧
スロットルOFFでブースト圧が規定値を超えたら大気圧(0)に
高江車両(異常が起こっている)
ブーストが掛かっている”初期”は負圧
スロットルON途中から大気圧(0)に
ん?なんか違うぞ?

まず大前提として、この車の加給圧制御は
”負圧”で行っています
昔のターボ車は”加給圧”を利用して制御していました。
正式にはECUが行ってるロジック(制御方法)は分からないのですが、
制御の仕方(負圧制御)
構造(アクチュエータに負圧がかかるとバルブ閉)
を想像してみるとECUは、
ブーストをかけたい時=アクチュエータ圧を負圧へ
ブーストを抑えたい時=アクチュエーター圧を0へ
としている”筈”です。
ですので、ECUが”制御”している”負圧”の出方自体は正常な反応に見えます。
アクチュエーターのプッシュロッドも制御に合わせてちゃんと動いていますから”本来なら”正常に動くはずなんですが・・・
何かしらウェイストゲートバルブが動いてないのかも💦
最悪「タービン交換」も想像しながら恐る恐る触媒を外して(コレも結構大変💦)見てみると・・・

高江号のウェイストゲートバルブがあまり開いていない事が発覚
おかげで瞬間的にブーストが異常に上がっていた様で、ECUが制御していた結果の様です。
何処からズレてたか?は謎ですが、エンジン不調の原因はまずココだろうと判断。
初期のターボ車ならこのアクチュエーターのスプリング力でブースト圧を調整していたモノですから、
プッシュロッドの長さ調整でブースト圧の変更は可能でした。
しかしこの「負圧式」の場合は「常時開」であるバルブを閉じるには”負圧”を送る以外方法は無いので、
ウェイストゲートバルブの開弁量位しか変わりません
それに直噴ガソリンで精密な制御をしている事を考えると・・・
クルマを壊す原因にもなりえるかも😢
とりあえず「メーカー基準値」は存在しない様ですから、私の車を基準に同じ寸法になるように調整。
コレで良くなってると信じて次の作業へ、

LSDは”DREXLER LSD“を導入。海外製で、このATのMINIにも対応している製品なんです!

LSDのセッティングは室本が担当。
従来扱っている国産LSDとは設計や扱い方が異なり、
「もっと効きを強く」「もっとイニシャルトルクを」と考えても簡単にはできません!
特にパーツを頼むにも納期が普通じゃない都合もあり、今回は無難な仕様で組込みます。(まだまだ可能性あり)ミッションに組込むにも一悶着

ATミッションへの組付けは神谷が対応。
説明書などが無い海外製パーツなので、与えられたパーツで「どうやって組む?」
と考えながら作業を進めます。結果的にATがバラバラになってしまう事態にまで発展💦
ミッションに組込むだけで2日掛かりでした。車両への取付けも

「ドラシャが抜けない」などのトラブルを乗り越えながら進めていましたが...
・サーモハウジングからの漏れ
・ウォーターポンププーリーの破損
など更なる課題も噴出💦
ヤバい!間に合うか!?
結果的に完成したのはイベント寸前の木曜日。まともな試運転もできずに金曜日に会場に持ち込みましたが...
大きなトラブルも無く、エンジン不調も直っていました!そんなドタバタな状況のクルマでもしっかり順応してくれた高江さんのおかげで
TOOLBOX作成車両で初の全日本優勝
スタッフ全員で喜びました!!大苦戦した事もありマジで嬉しい!
メカニックやってて良かったって思える瞬間です!
とはいえまだ万全とは言えない箇所もありますし、LSDを組んだ事による副作用も気になる所。次戦までに確認&対策をやっておこうと思います!
次の目標は「TOOLBOXチーム員からの全日本優勝」
今回は結果が残せなかった荻巣くんスイフト。
それでも練習時には良い走りしていましたので、
今後の彼の走りにも是非ご注目ください!
444-1222愛知県安城市和泉町大海古3-12楽しいくるま屋さんTOOLBOX
TEL:0566-55-4015
E-mail:muro.gnomise@gmail.com


コメント